【ベトナム株】10月の鉱工業生産指数は伸び悩み
家具製造が高成長を記録
SSI証券のベト株探訪記 No.008
電気産業指数と自動車輸入額は低迷中
10月の鉱工業生産指数の伸び率は前年同月比+7・7%と、過去5ヶ月の最低値を記録しました。
2017年4月に発売されたサムスン社のスマートフォン「ギャラクシーS8(Galaxy S8)」が販売数を伸ばし、9月に「ギャラクシーノート8(Galaxy Note 8)」が発売されたことで、携帯電話の生産量と輸出量が急増。2017年10月の携帯電話の輸出額は52億USDで、前年同期比85・5%増と53ヶ月ぶりに高水準を記録しました。一方、2018年10月の携帯電話の輸出額は40億USDに留まり、電気産業指数は1・5%低下しました。
10月の自動車輸入額はわずかな変化にもかかわらず、自動車の製造量は9月の前年同期比+35%から+14・2%に低下しました。8月から10月の自動車の輸入額は1ヶ月あたり2億USDを超えたものの、2018年1~7月の月平均6600万USDとなりました。
政令116号は、完成車に対する技術的障壁を生み、2018年初に輸入車の台数を減らしました。時間が経つにつれ、輸入業者は新しい規制条件を満たし、輸入車の台数は増加しました。これらの動きは、今後の国内自動車産業に影響を与えると思われます。
米中貿易戦争の影響はいかに?
注目されるべきは家具製造(ベッド、キャビネット類)の高成長です。8月からの成長率が+20%を超え、過去7ヶ月の成長率が平均+14%という点でも、米中の貿易戦争は良い影響を及ぼしたと言えるでしょう。10月の木製家具の輸出も18・5%増を達成しました。
貿易戦争の圧力を受けて中国の家具メーカーは海外に生産拠点を移行することを視野に入れ、ベトナムはその候補地の1つに挙がっています。
これは家具産業に限らず、多くの産業にとっても良い流れと言えます。さらに、FDI(海外直接投資)を誘致する戦略があれば、米中貿易戦争はベトナムにとって大きなチャンスになると見込まれています。
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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