我らの味方!
日系公的機関の利用術
在越日系企業の力強い味方。それが同じ日系の公的機関だ。
大使館や総領事館はもちろん、ベトナムにも企業を支援する機関が数多くある。
一方、「敷居が高い」や「うちとは関係ない」と足を運ばない方も多いのでは?
今回は主たる支援内容を各機関にアピールをしてもらった。
進出を考える日本企業だけでなく、在越日系企業にも支援を続ける日本貿易振興機構(JETRO)ホーチミン事務所。支援活動は大きく2つあり、「調査」と「商談会」だ。ベトナムの早い変化に合わせてニーズを取り込む。
事業に役立つ地図・資料 造業向けの特化版も
各種調査の中でビジネス全般に役立つのが、毎年更新の「ベトナム・ホーチミン市近郊ビジネス情報」マップだ。物流、インフラ、工業団地等の大判地図で、各省・市のデータやマクロ経済情報など基本データも掲載。「商圏マップ」はホーチミン市の小売店や大型ビル・アパートなどの立地マップ、公定路線地価マップ、人口密度等の地図が数種類揃う。
「商圏マップは5年ぶりに改訂しました。例えば、ホーチミン市の人口密度は1区よりも5区や7区が高くなり、ドーナツ化現象が起こっています。新規出店などの参考にいかがでしょうか」
製造業に向けた情報も多い。例えば、「ベトナム南部投資環境調査」は工場の立地を探すのに使えるし、「ベトナム委託加工マニュアル」は優秀なローカル企業を探す手掛かりになる。「ベトナム・ホーチミン市近郊工業団地データ集」は各工業団地のデータや入居企業が掲載されている。
「毎年3月には特に中小企業の方向けに、FTAやEPA系の基礎知識セミナーを開催しています。今年は120~130人が参加され、『FTA/EPA原産地証明の基礎について』等の資料も作りました」
機械と食品の商談 新試みもスタート
商談会は大きく機械系と食品系があり、前者は最低年に2回、後者は1回の開催。機械系では例えば今年7月の「MTA Vietnam 2017」。工作機械や検査装置の展示商談会で、製品の品質や出荷検査の基準が厳しくなる中で、検査装置等のニーズも生まれているという。
昨年10月の「部品調達展示会」は日系メーカーと地場サプライヤーの商談会で、日系ではトヨタ、ホンダ、パナソニックなど14社が出展。「逆見本市」とも呼ばれ、メーカー側が購入したい部品などをブースに展示するシステムだ。
「車のフロントグリルのメッキ処理など難易度の高い技術もありますが、長い目で両者のマッチングができればと思います」
食品系では今年2月に「日産本水産物輸出商談会」があり、水産品に特化した30社が日本から来越。7月の「日本産農水産物・食品輸出商談会」は水産品、健康食品、日本酒に絞った商談会で、日本から34社が出展した。前者では155社214人、後者で96社153人のバイヤーが来場している。
また、今年度から工業団地への出張相談を始め、今年11月には「メコンデルタ地域巡業型ミッション商談会」を開催予定。日本企業がカントーなどメコンデルタ地域を訪ねて展示会を開き、地場企業との商談会を持つ。
「商工会と共にビジネス環境の改善にも取り組んでいます。困難に直面することが多々あると思いますので、お気軽にご相談ください」
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