イベントオヤジの独り言 最終回

長いキャリアの中で印象深いイベント

30年以上もイベント業をやっていると、たまに「どんなイベントが印象に残っていますか? どんなイベントが好きですか?」と聞かれます。

30年の中で、いろいろあったのでしょうが、印象に残るほど正確には覚えていないのです。

すごく失敗したとか恥ずかしかったのは、いくつかあります。でも、一番好きなイベントは、イベント業でない、皆様の手作りイベントのほうが、感動したりします。

ローカルのにわか自称イベント会社が、リハーサルでマイクを持って、適当に意味不明な段取りをクライアントにも全員に聞こえるように、トンチンカンな進行をする。本番になるとカラフルなだけで何もシューティングが出来ていない照明をただ回すだけ、という様子を見ると、元電源を落としたくなるほどイライラします。

ステージ横で密かに涙を拭うことも

でも、手作りのイベントは本当にいいです。特に好きなのは、日本語を勉強しているローカルの子どもたちの発表会や日本人の子どもたちの発表会。たまにボランティア的にお手伝いしていますが、袖(ステージ横)で涙目になるほど感動します。ローカルの生徒さんによる日本語の発表や日本語で歌う子どもたち、とくに『ふるさと』とかを演奏されると涙が止まりません。

本当にこういうイベントは良いですね。ゾウさんのかぶり物をした幼稚園の子どもが、袖にいた私に泣きながら歩いてきたとき、私も感動して泣いてしまった。「あの時のゾウさんくん、オジサンはゾウさんが怖くて泣いたんじゃないんだよ。先生に抱かれて反対側に連れて行かれるのを見て、泣いたんだよ」、「隣にいたヘビくん、オジサンに、あのハゲ! っステージで言ったでしょ? オジサンの涙が止まった訳はハゲと言われたからじゃないよ。客席で見ていた先生やご父兄が私の頭から目をそらしたの、それで涙が止まったんだよ」

 

平櫛 開三 Kaizo Hiragushi
1987年日本で株式会社AABを立ち上げ後、2006年にAABベトナムを設立。
日系企業や公的機関等の様々なイベントに携わる。

AAB VIETNAM Co., Ltd
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