回は、面白いマネジメントをしている知人の会社をご紹介します。
ベトナム人が社長の製造業の会社で、社員としてベトナム人、韓国人、中国人が在籍しています。

この会社がユニークなのは、日本人社員がゼロなのに社内公用語が日本語なのです! 3ヶ国の社員がいるのに、全員が日本語スピーカー。社長は日本での就労経験があり、帰国後会社を立ち上げたのですが、ローカル系企業と取引したらトラブル続きで大変、韓国系企業と仕事をしたら契約後が大変…。「やはり日系企業!」ということになり、日系企業開拓がスタート。順調に取引を伸ばしていき、「さあ日本人を雇おう!」と思っているうちに、「日系企業と取引実績がある!」ということが業界に伝わり、なんと韓国系や中国系の企業からの問い合わせが増えたというのです。

日系企業との取引実績は、すごいブランドになるとのこと。そこで母国語で対応できる韓国人と中国人を採用。全員日本語ができたために、社内公用語を日本語にしたのは自然の流れだったといいます。

そのお陰でマスコミなどにも取り上げられ、グローバル感&採用力もアップし、ベトナム人の優秀な日本語スピーカーも採用するなどいいこと尽くしとなったようです。

社員の日本語レベルはとても高く、留学経験がなくてもどんどん上達するので、そのうち日本人を採用する必要性がなくなったとか。

売り上げを上げながら、採用力を同時に高め、優秀な人材も確保する。社長は「本当にたまたまこういった形に落ち着いた」と語りますが、いい循環とはこういうことなんだろうなと実感しました。

加藤 将司
Kato Masashi
JACリクルートメントベトナムManaging Director。大学卒業後、大手人材紹介会社を経て、一貫してベトナム人材の紹介や採用&育成に関わり、今年で12年目。2013年6月より現職。
www.jac-recruitment.vn