日本人に限りなく近い外国人
現法の想いと本社とのギャップ の巻
系企業に転職したベトナム人ダイレクターと、最近話をしました。「いやー、日系企業の本社の採用方法は面白いね~!」。彼がそういう時は、大抵皮肉めいた内容です。「ベトナム国内で自社製品を本格的にセールスできるマネジャーを採用したいと。チームの核となる採用なので、自分のツテで紹介したら、本社の最終で全員落ちたんだ。その理由わかる?」
現法の日本人社長は彼が紹介した3人全員を「即決」。全員業界経験が長くて、2人は欧米留学経験ありで、英語が堪能。日本語も少しできる。1人は日本留学経験ありで、英語もビジネスレベル。最終面接で落とされた理由は、最初の2人は「日系企業での経験が少ない」、もう1人は「ウチにフィットしない」。
「フィット感ってなんだよ! 仕事できたらフィットするよ!」と彼が思っていたら、本社が採用前提の人材を推薦。20代前半から11年日本にいた元ベトナム人留学生で、日本語は日本人レベル、英語は日常会話。ただ、セールス経験はあっても業界経験ゼロ。20代を日本で過ごして、国内にネットワークもコネクションもない人材のマネジャー採用で、現法社長は溜息をついていたそうです。
「日本本社の一番のプライオリティは、日本人に限りなく近い外国人。違いを理解して、その分野のスペシャリストを採用できない。だったら、経費を使っても日本人駐在員を一人増やしたほうが売れるよ!」。彼の怒りは留まることを知りませんでした。
日本国内でも外国人採用が増えているようですが、同じケースが多いようです。現地で踏ん張る現法と、本社とのイメージの差をどう縮めていくのかが、改めて大切だと感じました。
加藤 将司
Kato Masashi
JACリクルートメントベトナムManaging Director。大学卒業後、大手人材紹介会社を経て、一貫してベトナム人材の紹介や採用&育成に関わり、今年で12年目。2013年6月より現職。
www.jac-recruitment.vn
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