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Y ベトナムの小野瀬です。第9 回の対談は、アドバイザリー部門担当のChuongさんです。

小野瀬 アドバイザリー部門では、多くの企業から問題解決策などの質問を受けると思いますが、どのような問合せが多いのでしょうか。

Chuong 最近は、業務効率化のための組織改革、M&A 後の組織統合、内部統制組織の構築、IFRS(国際財務報告基準)への対応、IT システムの導入、内部監査のサポートなどです。日系企業ですと、J-SOX(内部統制組織の整備運用)対応のための業務の文書化や組織整備について、悩みを抱えている企業も多いようです。ベトナムに進出後、規模やオペレーションの拡大につれて、組織や業務運営上で問題が発生している企業が多いです。

小野瀬 言葉も文化も違う海外での事業運営ですから、組織をいかに効率的に運営していくかは、頭を悩ませる問題ですね。これらの問題にはどう対応すべきでしょうか。

Chuong まず、企業の発展段階に応じて、組織構造や求められる人材が異なることを認識してください。設立初期の段階は人員が少ないため、管理者は各担当者に目が届きます。また、各担当
者の業務が多様なので、幅広い知識が必要になります。

しかし、企業が発展するにつれ、権限と責任が適切に委譲されなくなると、業務の効率性が阻害されますし、業務分担を誤ると不正の温床にもなります。各担当者は業務が分担されるので、より専門性の高いスキルが要求されます。このように、各発展段階に応じた組織構造や人材、またそれをサポートするシステムの導入等、見直しや変更を適宜行うことが重要になります。

小野瀬 貴久
Onose Takahisa
Ernst & Young Vietnamのホーチミン事務所に勤務する日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、2006年からEYジャカルタ事務所、2011年よりEYベトナム・ホーチミン事務所に勤務。
ウェブサイト: www.ey.com