越の国の法律相談 No.015

屋台は食品安全証明書を持っている?

屋台の食べ歩き楽しむことは、ベトナム生活の魅力の1つです。日本では、バザーやお祭りに屋台を1日だけ出店する場合でも、そのつど保健所の許可や届出が必要ですが、ベトナムではどのような規制が行われているのでしょうか。

現在のベトナム法令では、路上食品(路上または公共の場所で、売り歩くかまたは並べて売る形態によって販売され、その場での飲食に供される加工食品)を販売する個人・所帯などは、食品安全法の安全証明書も、企業法の事業登録も不要とされています。

したがって、関係当局は、どういう業者が屋台を営業しているか、正式には把握しておらず、また、屋台営業者は、食品安全規制に違反しても営業許可を取り消されたりすることがないので、そのまま営業することも事実上、可能です。

販売場所や食材などに安全基準はあり

もちろん、屋台に対しても、食品安全法令が適用され、販売場所、食材・食器などについての安全基準が定められています。

また特に悪質な違反行為、①法令の基準を満たさないテーブルやキャビネット、ラック、調理器具を使用する、②食品をほこりや害虫から守る覆いをかけない、③調理済み食品、即席食品に手袋を着用しないで直接触れる、に対しては、行政違反処分が科されます。以前は警告処分または30万VND以上50万VND以下の行政罰金という比較的軽い処分でしたが、2018年10月から施行されている政令第115/2018/ND―CP号により、警告処分は廃止され、罰金額は50万VND以上100万VND以下に引き上げられています。

ベトナム国民の食の安全に対する関心が高まっている今日、屋台も時代に合わせて変わっていくのでしょうか。そんなことを考えながら屋台を物色するのも楽しいかもしれません。

 

日本国及びベトナム外国弁護士
岡田英之Hideyuki Okada
小幡 葉子Obata Yoko
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