越の国の法律相談 No.023

貯蓄預金の種類は
定期・要求払いの2つ

2019年7月から、外国人は、「貯蓄預金」が利用できなくなり、代わりに、居住者または6ヶ月以上の在留資格を持つ外国人は「定期預金」を利用できるようになりました。

「貯蓄預金」には、定期・要求払いの2種類があり、現金による入出金・普通預金からの振替のどちらも可能です。居住者であるベトナム人は外貨建て・VND建てから選択できます。

これに対し、「定期預金」は、居住者・非居住者のベトナム人、居住者のベトナム組織(外資含む)、および居住者または6ヶ月以上の在留資格を持つ外国人が利用でき、外貨建て・VND建てかを選べますが、現金での入出金ができず、定期預金の預入れ、元本・利息の受取りは預金者の普通口座を通じてのみ行えます。また、居住者または6ヶ月の在留資格を持つ外国人の預金期間は、ビザ等の残存在留期間を超えることができない等の制約があります。

貯蓄・定期ともに
利率は同じ

ベトナム国家銀行は、貯蓄預金・定期預金とも、名称が異なるだけでどちらも「預金」であることに変わりはないとしており、また、各銀行は通常どちらも同じ利率に設定しているので、利用者にとって実際上の違いは特段なさそうです。

旧制度と比べると、非居住者であって6ヶ月以上の在留資格を持たない外国人は利用できなくなり、また、おそらくマネーロンダリング対策のため、現金での入出金ができなくなった等の変化が見られます。

ある外資銀行が2018年に調査したところによると、アンケートに回答した外国人労働者の72%が「ベトナムへ赴任してから貯蓄額が増えた」と回答し、またほぼ同じ割合の回答者が「本国にいるときよりも可処分所得が増えた」としているそうで、定期預金の需要もさらに伸びそうです。みなさんも始めてみますか。

 

小幡 葉子 Obata Yoko
日本国及びベトナム外国弁護士。JICAベトナム法整備支援
長期専門家などを経て、2013年4月より現職。
TMI総合法律事務所Hanoi Office
電:024-3826-3826
メール:hanoi@tmi.gr.jp
ウェブサイト:www.tmi.gr.jp