ベトナム流の日本番組の調理法は“おまかせ”で
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ベトナム人の女の子が「スシを食べたい」と言ったら、僕はだいたい4区の「すシコ」に連れて行っちゃう。
寿司屋でも彼女は、醤油にチリ、ヌックマム。「お前、スシを食べる気ないだろ!」と言わない僕は、やっぱりやさしい。
さてさて、僕の会社はテレビ番組を作っている。バラエティショーを中心に、週に26本。なかには日本の人気番組のリメイクもあって、『新婚さんいらっしゃい』『あいのり』そして『パンチdeデート』などの恋愛ものが多く、平均年齢が30歳前後のベトナムで、どんぴしゃにウケている。
ただ、スシの食べ方よろしく、番組制作もしっかりとベトナム人プロデューサーのセンスでこねくり回している。
例えば、『新婚さんいらっしゃい』。日本では、新婚夫婦の面白トークと三枝のゲスな質問という軽い雰囲気の番組だが、ベトナムだともっとシリアスだ。
出演するのはちょっと訳あり夫婦が多い。国民の母と言われる名物司会者の進行で、まずは2人の馴れ初めの話、当時のときめきが蘇ったところで、お互いが腹の底に押し込めていた不満を引き出し、国民の母のアドバイス。思わず涙が溢れることもある感動番組の路線。
出演した夫婦はなぜか子宝に恵まれるというのは、スタッフの中の秘密だ。こういう「こねくり回し」は僕ら日本人にはできない。もう割り切ってすべてベトナム人に任せてしまう。
『新婚さんいらっしゃい』の元ネタが日本だって知らない視聴者も多いけど、みんなが楽しんでいるようなのでまあいいでしょ。
ベトナムでスシを食べるのはベトナム人。醤油にチリで何が悪い。
Komori Yuya
ホーチミン市最大級のテレビ制作会社MCV Corp勤務。
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E-mail:y_komori@mac-c.co.jp
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