ベトナムメディア業界 右往左往 No.2

若者に大人気の『ラ・ラ・スクール』

「俺らのスローガンはWork hard, play super hard !」ユーチューバーを束ねるイヤワン(Year1)社の営業部長のミスター・リンは水タバコを吸いながら笑顔で言う。女性スタッフは皆20代半ばだけど、アカ抜け感ハンパなくて酒は飲むし、タバコも吸う。そして最近の整形箇所を自慢するのもお決まり。毎週“Big Deal”を決めてくるのでしっかり整形の投資回収はしているようだ。

彼らとはクラウドファンディングの会社を走らせているので、ここ最近は毎週のように一緒に“Work & Play”。僕はいつも笑顔で、でも内心は業界の流れと彼らの若さについていくのに必死だ。彼らと接していると、ことエンタメにおいては日本よりベトナムの方が早いんじゃないかと思えてくる。

例えばユーチューブの活用も進んでいて、ビッグキャット(Big Cat)という会社は昨年ユーチューブで連続ドラマ『ラ・ラ・スクール(La La School)』を配信。1話につき平均450万回再生というテレビでは考えられない視聴数を稼いでいる。スポンサーには韓国や中国のスマホ、アプリメーカーがついており、彼らの感度にも驚きだ。

僕らも負けていられない。テレビにこだわる気はないので、『ラ・ラ・スクール』を知った1ヶ月後には、出資の話をまとめていた。2年後のメイン事業はテレビじゃないかも。「若い、早い」ばかり言っているとおじさんみたいでカッコ悪いけど、カッコつける暇もないほど焦るよね。  

僕にはもっと“Work hard, play super hard”が必要だ。今夜はまだ家に帰らない。

 

小森 悠矢
Komori Yuya

ホーチミン市最大級のテレビ制作会社MCV Corp勤務。
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E-mail:y_komori@mac-c.co.jp