ベトナムメディア業界 右往左往 No.3

旅行中のプロデューサーから電話がかかってきた。
「小森さん、今度健康番組をやろうと思いますが、どう思いますか?」
丁寧な聞き方とは裏腹に、こんな話をしてくるときのプロデューサーの意思はもう固まっている。相談ではなく、新番組決定の連絡だ。僕は、とりあえず『発掘!あるある大辞典』と『ためしてガッテン』のリンクを参考番組として送って、すぐに営業の計画を立てはじめた。

ベトナムのテレビ番組は3ヶ月1クール単位で、視聴率がよければ何クールも続くけど、うちの場合は視聴率が2%を下回れば入れ替え対象。次クールに新番組を間に合わせるため、急ピッチで準備が進むので企画から放送まで、だいたい1ヶ月半。早いときだと25日だ。

プロデューサーの思いつきの翌日に企画会議、その翌日に企画書が上がってきて営業開始。 タレントとスタジオ大道具を揃えて、2週間後には撮影。編集、センサーチェックをクリアして、全国放送って流れ。計画性のなさを批判されるベトナムだけど、このスピード感には、いつも感心させられる。細かい調整とか無視して、ゴールに最短距離で行くやり方は、勉強、勉強。

僕も「ディスイズベトナム」と唱えて、スポンサー探しに奔走するわけだけど、日系クライアントにこのタイムラインを話すとまあ微妙な顔されるよね…。そして、スポンサーが決まった後に、プロデューサーは勝手に企画をアレンジ。まだ放送前なのに改善スピードも早い。「もっと面白いと思いますよ」って、シビれるわ。

 

小森 悠矢
ホーチミン市最大級のTV制作会社MCV Corp勤務。
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E-mail:y_komori@mac-c.co.jp