ベトナムのオフな面々 Vol. 004

日本の歴史を語れず反省し勉強。
日越関係の奥深さに魅了される

写真奥はロンビエン橋。「特に仏領インドシナ、日本軍の仏印進駐時代の歴史探求が好きです」

「『四一式山砲』は軍事歴史博物館に展示されています。砲身には『昭和15年4月製大阪工廠』と書かれています」

ゲアン省ヴィン市にある六稜郭の門。「地上からはわかりませんが、航空写真で見るとそこが六稜郭だと分かります」

学生時代、歴史の勉強が苦手だったという人は少なくないだろう。新妻さんもそんな1人だった。

「高校生の時は歴史なんて仕方なく勉強していて、むしろ嫌いでした。大学では、両親がベトナム戦争反戦運動の世代であった影響と、めずらしさもあってベトナム語を専攻しましたが、難しくてすぐに挫折。それも嫌々やっていました(笑)」

大学卒業後は貿易会社に入社し、2004年にベトナムへ赴任となった。その際、とある出版社の社長と親しくなったのがきっかけで、自身の考えが変わった。

「ベトナム人なのに、幕末から明治維新の流れ、清やロシア、アメリカとの戦争、高度経済成長期と、日本の歴史に詳しい人でした。背景とかをいろいろ聞かれましたが、答えられず、歴史を何も知らないと気付かされてショックでしたね」

少しでも説明できるようになろうと歴史書を読み漁るうちに、その面白さにのめり込んでいった。

「日越の意外な繋がりを見つけるのが楽しみの1つです。日本へ留学生を送ったファン・ボイ・チャウという革命家がいたこと、ディエンビエンフーの戦いで日本製の山砲が使われていたとか。学校ではあまり教わりませんが、日越は昔から深く関わっているんですよ」

時間を見つけてはベトナム国内の歴史施設や史跡も訪れる。現在は旅行業に携わっており、今後はその趣味を仕事でも生かしたいという。

「例えば、ベトナム各地に四ないしは六稜郭がいくつか存在します。昔の要塞ですね。そんな要塞を巡る、男性がワクワクするようなツアーをいつか組んでみたいと思っています」

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