品質と持続性を重要視する日系企業

弊社では、この2年間で、在ベトナム日系企業の約7000名のベトナム人社員、日本人社員対象に、組織診断を実施しました。今日は、そのお話をさせて頂きます。

組織診断とは、アンケートやインタビューを元に、現状の組織の状態を見える化する手法です。組織変革では、あるべき姿を設定して、現状を把握して、そのギャップを埋めるための手段を講じていくのが王道です。ダイエットをしようとするときに、現状の体重や食生活などを分析するのと同じです。弊社の組織診断はハーバード大学ビジネススクールのマイケルタッシュマン教授の組織モデルに基づいて作られています。ベトナムで働く社員の方が、ポジティブに見ている項目は、

①当社は、製品やサービスの品質向上を重視する傾向がある。

②当社は、決定したことは徹底することを重視する傾向がある。

③当社は、これからも持続的に成長していくことができる。

などの項目でした。これは、在ベトナム日系企業の特徴を表している結果とも言えます。品質を大事にし、トップダウンでマネジメントする。ベトナムマーケットへの本社からの期待などを表していると考えられます。

競合企業への分析や戦略の不足

一方で、ベトナムで働く社員の方がネガティブに見ている項目は、

①当社は、競争相手の動きを把握できていない。

②当社の業務プロセス(仕事の流れ)は効率的でない。

③当社の処遇は納得できるものではない。

などの項目でした。

競争相手の動きに関しては、多くの企業で幹部も含めて意識している方が少ないのが現実です。また、日本人とベトナム人との仕事の進め方や考え方の違いもあり、業務プロセスがうまくいっていない会社も多いです。また、処遇に関しては給与だけでなく、キャリアパスや評価もできていない会社が多く、トータル人事戦略のご相談を受ける機会が増えてきました。組織変革は、どの企業にも必要なテーマです。

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、
ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
電:024-6269-6162
E-mail:vietnam@bcon.co.jp