メリット大のリモート
しかし難しい一面も

直接会ったことのない人に、どこまでの仕事をあなたは依頼することができますか?

今は、クラウドソーシングを活用したことがある方も多いかもしれません。それでも私は10万円未満の仕事しか頼んだことがありません。そして、その出来栄えに少なからず不満をもった経験があります。今考えると、業務そのものの難易度を正確に把握できていなかったり、指示の仕方に問題があったのかなと感じます。

現在は、オンラインでのミーティングが当たり前になってきています。リモートで会うことには大きなメリットがありますね。移動時間が無くなり、時間効率がかなり良くなるだけではなく、交通費もかからないのです。

仕事の依頼は信頼関係あってのものですが、オンラインで信頼は築けるのでしょうか。

過渡期に入った
信頼関係の構築方法

レイチェル・ボッツマン著『TRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか』(日経BP社 2018)では、デジタル時代には信頼の形が大きく変化しており、今はその過渡期だと主張しています。

分かりやすい例として紹介されているのは、アリババ社が中国においてeコマースを普及させる上でとった戦略です。中国では人脈やコネが商取引のベースだったところを「エスクロー」という商取引の際に信頼の置ける第三者を仲介させて、取引の安全を担保する第三者預託を取り入れた、決済サービス(アリペイ)を生み出し、売り手の信用度を「トラストパス認証」を設けて、差別化することで信頼を構築していきました。

新型コロナ終息後に向けて、ますますテクノロジーの進化は加速しています。まだブロックチェーンの信頼性は担保されているとは言えませんが、こういった技術を使って企業や個人の信頼をはかることができるようになる未来はそう遠くはありません。これまでのような人と人による信頼の蓄積は変わらないでしょうが、新しい信頼の形についても考えておく必要があるかもしれません。

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国で経験を積み、ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
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