【ベトナム法律】ベトナムの電子マネー事情
越の国の法律相談 No.026
現金決済、総取引額10%未満計画
ベトナム政府は、キャッシュレス決済の利用拡大をめざして、2020年末までに現金決済取引額の割合を総取引額の10%未満とする計画を承認しました。
さらに、スマホ普及率の上昇に伴い、キャッシュレス決済の中でも、電子マネー決済が、都市部の若年層を中心に急速に浸透しているため、その法令整備が進められています。
昨年度公表された政令案では、電子マネーの例として◇プリペイドカード、◇モバイルマネー、◇イーウォレットをあげて、銀行及び外国銀行支店がプリペイドカードを、決済代行サービス会社がモバイルマネー及びイーウォレットを発行できると新たに規定しました。
また、すでに施行されているベトナム国家銀行通達によれば、イーウォレットは少額取引の決済手段として整理され、個人名義のイーウォレットの1ヶ月取引上限額は1億VNDとされています。
外資出資比率の規定は検討中
上記政令案には、決済代行サービス会社の事業要件のひとつとして、外資出資比率が49%以下であること、と規定されています。外資出資比率が49%以上で既にサービスを提供している会社もあり、キャッシュレス決済の利用拡大を阻害すると批判されており、現在、この要件を削除するか否かという点が検討されています。
決済代行サービス会社が安心して信頼できるサービスを提供するためにも、電子マネーに関する政令が早期に発布されることが期待されています。
小林 亮 Kobayashi Ryo
日本国及びベトナム外国弁護士。東京オフィスで多数の東南アジア案件を担当後、
2014年4月より現職。1年のアメリカ留学を経て、2019年9月に復帰。
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