賢者の税務・会計術 vol.029

本議決で適用の対象が拡大

こんにちは。AGSの貝沼です。今回は、法人所得税(以下、CIT)の軽減に関してご案内いたします。
 
新型コロナウイルス感染症により経済的打撃を受けた企業に対し、国会は2020年度CITを30%軽減する計画案を可決しました。(116/2020/QH14:以下、「本議決」)。
 
財務省が提出したCIT税率軽減の計画案では、減額の対象を「2020年の売上高が30億VND(約1400万円)以下で、社会保険に加入する労働者数が10人以下の零細企業」 および「2020年の売上高が500億VND(約2億3000万円)以下で、社会保険に加入する労働者数が100人以下の小企業」としていましたが、本議決では、適用の対象が拡大されました。
 
対象となる企業は、法人所得税法の規定に基づき、生産活動や商品取引、役務提供の対価として課税所得が生じる組織となります。具体的には、以下のようになります。
①ベトナムの法令に基づいて設立された企業
②協同組合法に従って設立された組織
③ベトナム法令に従って設立された事業体
④ベトナムの法令に基づき設立され、生産活動や事業活動に営むその他の組織
 
実務上の注意点として、2020年度の売上高が2000億VND (約9億2000万円)を超える企業・組織はCIT軽減のメリットを享受することができないため、予定納税および確定申告時に自身で適用対象となるか、及び売上高が減額の条件を満たしているかどうか事前にご確認いただく必要がございます。本決議は署名日の6月19日から45日後に発効し、2020年の課税年度に適用されます。
 
実務上ご不明な点がある場合は、専門家へご相談されることを推奨いたします。

貝沼 義斗
AGSハノイ事務所勤務。官公庁での税務業務、青年海外協力隊を経て、2018年より現職。ベトナム語を猛特訓中。
A. I. Global Sun Partners JSC
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