賢者の税務・会計術 vol.010

借入金の着金には中央銀行の許可が必要

こんにちは。AGS貝沼です。事業活動を行っていく上で、借入は非常に重要な資金調達方法の1つです。今回はベトナム国内企業が国外から借入を行う際の注意点をご案内します。

企業による海外からの借入・返済に関する外貨管理のガイダンスを定めた通達03/2016/TT―NHNNT第9条より、ベトナム国外から長期借入(返済期間が1年を超える借入金)を行う場合や、短期借入(返済期間が1年以内の借入金)の返済期間が1年を超えてしまう場合は中央銀行への登録が必要となります。

法令上、国外から長期借入を実施する企業は、金銭消費貸借契約書の契約日から30日以内に中央銀行へ登録を行う必要があります。

中央銀行から借入登録証を取得した後、国外から借入送金が可能となり、借入金は資本金口座へ送金する必要があります。

国外からの短期借入で、借入期間が1年を超えた際は、長期契約として再契約し、長期借入同様に締結後30営業日以内に中央銀行へ登録する必要があります。

借入金額の上限や使用目的違反に注意

実務上の注意点として、外資系企業はIRC(投資登録証明書)に登録した総投資額を超える借入を必要とする際は、IRCの変更が必要となります。

長期借入の上限額はIRC上の総投資額から資本金を控除した金額となります。短期借入はライセンス上の事業分野への運転資金として借入する必要があります。使用目的を違反した企業へは3億VND~4億VNDの罰金規定が定められています。

今回ご紹介しきれなかった細かな税務上の留意点も多々ありますので、借入を行う際は事前に専門家へ相談されることを推奨いたします。

貝沼 義斗
AGSハノイ事務所勤務。官公庁での税務業務、青年海外協力隊を経て、2018年より現職。ベトナム語を猛特訓中。
A. I. Global Sun Partners JSC
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