賢者の税務・会計術 vol.030

VATインボイスの発行、申告が必要

こんにちは。AGSの貝沼です。 
 
事業活動を実施していく上で、お客様との付き合いや、事業促進のために物品を無償で贈答された経験はありませんか? 社内で法令上規定されている必要な手続きが実施されていない場合は、税務調査の際に思わぬ追徴課税を受けてしまう可能性がありますので、注意が必要です。今回は、物品を無償で贈答した際に必要な社内上の手続きをご案内いたします。
 
通達26/2015/TT―BTC第3条7項及び9項に基づき、物品を無償で贈答した場合はVATインボイス(以下、インボイス)の発行が必要となります。
 
企業は顧客からの要望がない限りインボイスを公布をする義務はありませんが、インボイスを発行の上、申告をする必要があります。インボイスへは、贈答品である旨の記載が必要となります。また、顧客よりインボイスの交付の要望がなかった際は、その旨インボイスへ記載する必要がございます。
 
実務上の注意点としては、インボイスを発行するスタッフ(以下、総務関連スタッフ)と、物品を顧客へ贈答するスタッフとの間で十分な情報共有をされていない場合がございます。そのため、今一度スタッフへ顧客へ物品を無償譲渡する場合は、インボイスの発行が必要なことを指導することに加え、贈答する物品のリストを書面で残し、総務関連スタッフと円滑に情報共有が行えるよう、体制を構築する必要がございます。
 
インボイスを発行していない場合は法人税上、損金不算入となる恐れがあります。そのため、今一度顧客への贈答日に対し、インボイスが発行されているかどうかご確認をされてみてはいかがでしょうか。
 
実務上ご不明な点がある場合は、専門家へご相談されることを推奨いたします。

貝沼 義斗
AGSハノイ事務所勤務。官公庁での税務業務、青年海外協力隊を経て、2018年より現職。ベトナム語を猛特訓中。
A. I. Global Sun Partners JSC
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