賢者の税務・会計術 vol.035

送金時に発生する
細かいルール

こんにちは、AGS貝沼です。今回のテーマは配当金の海外送金に関わる規制です。
 
ベトナム現地法人で十分な利益が出ていて、親会社への利益還元をお考えの企業様もいらっしゃるかと思います。ベトナムでは海外送金が厳しくチェックされており、配当金を送金する際にも、いくつかのルールを守る必要があります。以下でその規制を見てみましょう。
 
通達186/2010/TT―BTCによると、配当金を国外送金するための要件として以下の要件が定められています。
①監査報告書を税務署へ提出していること ②法人所得税の確定申告を終えていること ③納税義務が完了していること
 
加えて、企業は配当金を国外送金する7営業日前までに同通達に定める国外への利益送金に関する通知書へ獲得した利益および国外への送金額を明記し、税務署に提出する必要があります。

個人投資家への送金は
源泉徴収が必要

注意点として、単年度で利益が出ていた場合でも、累積損失が残っている場合は、配当金を国外送金することはできません。また、企業へ配当金を国外送金する場合は源泉徴収の規定はありませんが、個人投資家へ海外送金する場合は、5%の源泉徴収をする必要があります。
 
配当金の国外送金は、書類の作成や配当可能額の計算に専門的な知識が必要となるため、もし配当金の国外送金を検討中の方は、事前に専門家へ相談されることをおすすめします。

AGSハノイ事務所勤務。官公庁での税務業務、青年海外協力隊を経て、2018年より現職。ベトナム語を猛特訓中。
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