なるほどthe住まい No.27

購入はできても売却が自由にできない
私たち外国人がベトナムの不動産を購入する際、資金をどこから調達するかによって、注意しなければならないことがあります。
 
以前、ベトナム以外の東南アジアで長らくお仕事をされた方がベトナムに転勤し、ある日当社にこんなお問合せをされました。

「ベトナムにハンドキャリーで持ち込んだお金でマンションを買いたいんですが」
 
もちろん、外国人でも新築マンションを購入できます。ただし、「外国人が買えるマンション」を「外国人枠(30%)」の範囲で買わなくてはなりません。また、外国人100%の名義で買うと「50年間の長期使用権」という保有制限がつきます。ちなみに、ベトナム人名義の場合は、永年で所有が可能です。外国人はベトナム人よりも多少制限が付きますが、買えることに間違いはなく、購入後の売却も可能です。
 
問題はその購入資金をどう調達したかというところです。冒頭のお客様のケースも含め、以下のような資金で購入を検討されている方は要注意です。
 
ひとつは、◇外国から送金履歴のない資金で買う場合。例えば、ハンドキャリーで運んだ資金。もうひとつは、◇不動産を買うという目的ではない資金。例えば、生活資金として海外から送金を受けた資金。
 
これらの資金で不動産を購入すること自体は可能ですが、自分の所有を第三者に証明することができる唯一の書類「レッドブック」は交付されません。この「レッドブック」がもらえないと、数年後に高値で売却ができません。また、売れたとしても、その資金は海外に送金できません。
 
というわけで、現金決済でマンションを購入できても、売却の際に自由にできないというデメリットが立ち塞がります。ベトナムの不動産購入について、正しい知識を持ってご検討ください。

 

 

田口 庸生 Taguchi Tsuneo

ハノイリビング

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