EY大手会計事務所のベトナム事情 No.006

海外からの技術移転は90日以内に申請

EYベトナムの小野瀬です。第6回の対談は、日系企業担当の堀内大和さんです。

小野瀬 新技術移転法という法律が適用になり、海外からの技術移転契約についての登録が必要になったと聞きましたが?

堀内 はい。2018年7月1日より、新技術移転法(第07/2017/QH14号)が施行されています。これにより、外国とベトナム間の技術移転については、ベトナム科学技術省への登録が必須となりました。

技術移転契約を締結してから90日以内に、必要書類を揃えて科学技術省に登録の申請を行う必要があり、申請から5営業日以内に登録証が発給されることになっています。

既存の契約は変更時に登録が必須となる

小野瀬 外国からの技術移転契約を登録するとなると、日系企業は日本で取得した工業所有権や、研究開発の成果を、ロイヤリティ契約等を締結して海外子会社に提供している場合が多いと思います。しかし、そのような技術移転を含む契約等はすべて登録しないといけないんですね。

堀内 はい、その通りです。特に日系企業の製造業は、多くの会社が技術移転を含むロイヤリティ等の契約を締結していると思うので、かなりの負担となると思います。

今後の税務調査で登録証の提出を求められ、提出できない場合は関連する費用について税務上否認される可能性があるので注意が必要です。

小野瀬 そうなると、7月1日以前に締結した既存の契約も全て登録しないといけないのでしょうか。

堀内 いいえ、7月1日以前に締結した契約は、内容の変更、あるいは契約期間の延長を行わない限り、すなわち既存の契約内容に変更を加えない限り、登録する必要はありません。

小野瀬 ただ、既存の契約についても、いずれは契約期間の延長を行う事になるでしょうから、今後どこかのタイミングで登録する必要が生じますね。

小野瀬 貴久
日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、EYジャカルタ勤務を経て2011年より現職。
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