E

Yベトナムの小野瀬です。第24回の対談は、監査マネジャーのKhanhさんです。

小野瀬 最近、資金繰りの関係から、期中配当を実施したいが可能かというご相談をいただく機会が多くなっています。当該期中配当について、注意点等はありますでしょうか。

Khanh 配当に関する規定は企業法に定められており、企業法に記載されている条件(納税義務を満たす等)を満たしていれば、ベトナム国内の出資者に対しては中間配当ができると解されています。一方、海外に対する中間配当については、企業法の規定のみならず、海外配当に関するガイダンスであるCircular187の規定に従わなければなりません。

Circular187によれば、会計期間終了後、監査済財務諸表および法人税申告書を当局に提出し、法人税を納付した上で、年度配当を送金できると規定されています。つまり、期中配当を行うことはできないとされています。

小野瀬 海外への出資者に対しては、日本のように期中に臨時株主総会等を開催し、適時に配当を行うことはできないのですね。資金繰りを考慮した場合、少しでも配当による支出を減らしたいわけですが、何かいい方法はありませんか。

Khanh 配当は法人税支払後、1年に一度しか決議することはできません。ただし、この決議された配当を、複数回に分けて海外送金することは可能です。

小野瀬 なるほど。資金繰りを考える上で、配当金の支出額は大きいですから、一考する価値はあるかもしれませんね。

小野瀬 貴久
Onose Takahisa
Ernst & Young Vietnamのホーチミン事務所に勤務する日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、2006年からEYジャカルタ事務所、2011年よりEYベトナム・ホーチミン事務所に勤務。
ウェブサイト: www.ey.com