皆さん、「レジリエンス」という言葉を聞いたことがあますか?

2014年のソチオリンピック女子フィギュアスケートで初日に大きな失敗をした浅田真央選手が、2日目で3回転ジャンプをすべて成功させ、「支えてくれた方々に最高の演技ができて嬉しかった」とコメント。この時「浅田選手のレジリエンスは凄い」とニュースになっていました。

大きな失敗に引きずられることなく、気を取り直して自分の最高の演技をする。この回復力、復元力がレジリエンスと呼ばれています。

感情と行動の間の
思考の幅を広げる

我々ビジネスコンサルタント社には、このレジリエンスを高める『レジリエンスプログラム』があります。スタート当初は若手・中堅社員向けのニーズが非常に多くありました。学生生活では大きな挫折や叱られたことがなかった若手が、職場の厳しい環境の中ですぐに折れてしまう。そのような状況を改善することが組織の一つの大きな課題になっていました。

人は何かの出来事に遭遇した際に、出来事→感情→行動とすぐにアクションを起こしているように見えますが、実はそうではありません。感情と行動の間のコンマ数秒という一瞬で、実は「思考」しています。その思考の結果、判断し、次の行動を選択しているのです。この感情と行動の間の思考の幅を広げることで、行動にも柔軟性が出てきます。

最近では管理職にも
ニーズが広がる

このレジリエンスプログラムではATCモデル:Activate Events(出来事), Thoughts(思考), Consequence(結果)として、思考の訓練を取り入れています。最近は管理職向けにもニーズが広がっており、私自身、6年目の新任所長時に受講しました。自分自身の思考の癖に気付くとともに、感情と行動の間の思考に気付き、セルフコントロール力を高められました。このモデルを活用すると、日本で大きな問題になっているあおり運転など、いろいろな問題について解決することが出来るのではないかと考えています。

次回、このATCモデルやレジリエンスについて、より詳しくご紹介します。

知識 大輔 Chishiki Daisuke
日本で営業責任者を務めた後、中国法人で5年間、総経理、董事長を経験。2020年8月からベトナム法人のゼネラルダイレクターとして就任。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
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