プロセス・ロスをなくすためには

ご当地ベトナムにおいても、会議の数が多く、その会議の生産性が低いなどの声をよく聞きます。皆さんは、「会議」と聞くと、どんな場を思い浮かべますか? ワクワクしますか? 億劫だなと思いますか? 今回は「あの会議、よかったね」と思える会議の進め方について考えてみたいと思います。

会議に臨むにあたって、事前にアジェンダを提示する、個人はしっかり準備をする。これは言うまでもないことですが、それ以外にもちょっとしたコツがあります。

「この会議、なんだか違和感があるな」という状況を心理学者のルドルフ・シュタイナーは「プロセス・ロス」と呼んで次のような公式で表現しています。

【実際の生産性=潜在的な生産性―プロセス・ロス+グループ・プロセスによるシナジー効果】

プロセス・ロスとは、具体的には次のようなことだそうです。

・参加者の意見やアイディアを出す機会がない。

・目標や手順が共有不足でズレが生じたまま課題が遂行。問題が大きくなってから発覚する。

では、このプロセス・ロスをどう最小化するか? 対策として、会議中に参加者が感じていることを表面化させるという方法があります。

参加者の感情面を表面化させる

・会議に集中できていたか?

・会議の雰囲気についてどう感じていたか?

・自分の意見や考えを取り上げてもらえていたか?

このように、会議で話し合われている内容ではなく、参加者の感情面を取り上げる問いかけをするのです。効率的ではないと思うかもしれませんが、このような対策は参加者の行動に結びつける近道です。

会議中に意識するポイントとして、次の割合が良いと言われています。話し合われている内容→70%、話し合いに参加している状況→30%。参加者の感情面は、アンケートで確認するのが効果的でしょう。

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、
ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
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