ベトナムメディア業界 右往左往 No.11

以前、番組制作会社が、YouTube(ユーチューブ)専用番組を作っている話をしたが、時代はもっと進んでいる。いち企業が自社のユーチューブチャンネルで、オリジナルコンテンツを配信しているのだ。

ベトナムナンバーワンブランドのヴィナミルクは、子ども向けコンテンツを配信して登録者はすでに98万人。一方、グローバル企業アップルは670万人。ベトナム市場だけで活動しているヴィナミルクのエグさがわかるだろう。日本の大企業だと、ソフトバンクが7万人、キリンビールが4万人だから、比較にならない。

ヴィナミルク発の子ども向け番組

マスメディアが少数の企業に独占されていた時代は、メーカー企業はマスメディアが提供するコンテンツに、広告出稿しなければいけなかった。それ以外では、消費者にリーチする方法がなかったからだ。
しかし、デジタル化が進み、メディアが民主化したので、自分たちでメディアを持っちゃえ、ということに気がついてしまったのだ。

「なんで毎年●●円も払って、人様の番組を人気にする手伝いを? そうだ! 自分で番組作って有名にすれば、ファンを資産として保有できるし、そこからブランド力が生まれ続けるぞ!」って。

僕の勝手な予想だけど、今後数年以内に、企業のオリジナルコンテンツが全盛を迎えると思う。これはあらゆるSNS、さらにはリアルなイベントに波及するだろう。

消費者と企業が直接繋がる時代。これを恐ろしいと考えるか、面白いと考えるかで、マーケティング企業の未来が決まると思う。

 

小森 悠矢
ホーチミン市最大級のTV制作会社MCV Corp勤務。
YouTube番組「ベトナム旅行 69」を毎週金曜に配信中。
僕、小森がキャストもやっています。見て、シェアして、感想をぜひ!
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