ベトナムメディア業界 右往左往 No.12

好きな時に、好きな動画コンテンツを見られるビデオオンデマンド(VOD)。「 ネットフリックス(Netflix)」や「 アマゾンプライム(Amazon Prime)」に代表されるサブスクリプションサービスが世界中で流行、さらにはディズニーも参加を表明するなどますますの盛り上がりを見せている。2018年の頭にハリウッド研修に行った際も、「これからはVODの時代だ」とMBA連中が口を揃えて話していた。

大手IT会社FPTもVOD市場に参入

テレビ離れが進んでいるベトナム市場ではさらに激しい競争が起きている。3年ほど前から10社あまりのプレイヤーが参戦してきた。大手テレビ局、大手IT企業、国内最大のSNSなど…。他にも外資アジア系VODも入ってきている。どこも通信会社と連携し、巧みな戦略でユーザーの財布を狙ってきた。しかし、未だ王者が決まらないまま、競争は下火になってきている。国内有数の資金力を持つ企業でさえ、コンテンツを揃えられず、ユーザーがつかないのだ。

面白いコンテンツはユーチューブ(YouTube)にも溢れているし、リッチコンテンツはVTVとHTVの2大テレビ局で、海外コンテンツは巨大VODに流れるというわけ。

さあ、ひとつの波の終りは次の波の始まり。ベトナムのエンタメはどこに向かうのか? 最近、フェイスブック(Facebook)のシンガポール支社の人間が足繁くベトナムに通っている。人口が多く利用率が高いこのベトナムで、なにかを仕掛けようと画策しているようだ。ここから王者は出てくるのか?

 

小森 悠矢
ホーチミン市最大級のTV制作会社MCV Corp勤務。
YouTube番組「ベトナム旅行 69」を毎週金曜に配信中。
僕、小森がキャストもやっています。見て、シェアして、感想をぜひ!
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