SSI証券のベト株探訪記 No.045

ヘルスケアと
不動産が下落

2021年9月、ベトナム株式市場は引き続きほぼ横ばいとなった。9月のVN指数(ベトナム株価指数)は0.8%増の1342ポイントとなった。中国恒大集団の債務問題は短期間に市場の混乱を引き起こし、9月27日にVN指数は26ポイント(2%)を失った。
 
7月と8月にわずかに後退した後、9月のVN30指数(ホーチミン市証券取引所の主要30銘柄)は1.8%上昇し、中型株(VNミッドキャップ指数)は0.5%下落、小型株(VNスモールキャップ指数)は6.5%上昇した。
 
年初来、VN指数は21.6%の値上がり。VN30指数とVNミッドキャップ指数、VNスモールキャップ指数も年初来でそれぞれ35.8%、32.2%、53.1%増加し、市場全体のパフォーマンスを上回った。
 
8月にトップパフォーマーとなった後、ヘルスケアセクターは9月に7.4%減となり、最も下落したセクターとなった。不動産セクターには、中国恒大集団の事件を取り巻く否定的な感情により、前月比でビングループ(VIC)は6.5%減、ビンホームズ(VHM)は3%減となった。
 
一方、新型コロナウィルスの再流行により、一般消費財セクターは10.8%増加し、トップパフォーマーとなった。

売買代金の92.6%
国内投資家が独占

9月には、3つの証券取引所における売買代金は、10.7億USD(前月比9.3%減、前年比274%増)に達した。
VN30株の売買代金は26.1%減少したが、資金は引き続き中型株および小型株に流入した。
 
2021年年初9ヶ月の1日平均売買代金は前年比371%増の9億5000万USD。うち、国内投資家が92.6%を占めた(前年は88.9%)。
 
外国人投資家は9月も引き続き売り越し、総額3億9000万USDを記録した。最も売り越された銘柄はVIC、VHM、ホアファットグループ(HPG)、マサングループ(MSN)、VFMベトナムダイアモンドETF(FUEVFVND)など。年初来、の売り越し額は合計17億3000万USDとなった。
 
上場投資信託(ETF)は過去2年間で最強の月間流出を記録し、9月は1億USD近くに上った。

ファン・リュ・フォン Pham Luu Hung
分析及び投資コンサルセンターのマネジャー。シドニー大学で修士、ハノイ貿易大学で学士号を取得。2007年より現職。
Saigon Securities Inc.
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