人材で困ったときに
必ず思い出してもらえる会社に Vol.27
RGF HR Agent Vietnam Co., Ltd.

リクルートキャリアの子会社であるRGF HR Agent Vietnamは、2011年にホーチミン市に進出。2014年にはハノイオフィスを開設した。人材紹介業が躍動を始めたこの国で、国際展開するリクルートグループの一翼を担う。

リクルートの強みを活かす

――　御社のベトナムでの事業は何でしょう

細田　主に２つありまして、１つは中途採用の人材紹介、もう1つはエグゼクティブサーチです。

前者は弊社のデータベース（ＤＢ）にある新卒からマネジメント層までの登録者（求職者）をマッチングさせて、企業に紹介するサービス、後者は企業の意向に合わせてハイクラスの人材を探し、紹介するサービスです。

――　登録者や案件の規模を教えてください。

細田　登録者はベトナム人がほとんどで、ＤＢ上では数万人という規模になります。職種、年齢、ポジションは様々です。企業からの求人件数は、１社で複数の場合もあり、合計で数百件はあるでしょう。顧客企業はローカルを除く日系とその他の外資系がほとんどで、業種は製造業、IT、商社、金融、サービスなど多岐に渡っています。

日系企業が日本人を募集する場合もあります。こうした案件では、また決定件数も、ベトナムでは弊社が最も多いと思います。

これらのケースでは、リクルートキャリアが運営する転職・求人情報サイト「リクナビＮＥＸＴ」のＤＢが使えるのが強みで、日本本社に問い合わせいただいたお客様と視察時などにお会いすることもあります。

――　リクルートグループには数多くの海外拠点があります。

細田　はい。各社の事業環境はその国に進出している、特に日系を含めた外資系企業の状況に左右されます。現在のベトナムは投資先として注目され、日系企業の進出も多いので、立ち上げ人材など重要なポジションの採用を任されることも多いですね。日系であれば進出したばかりの企業はもちろん、進出の計画や採用ポジションが決まった段階での依頼もあります。

細田　世界中に拠点があり、横のつながりが強くて協力するのが当然な社風ですから、タイの人材がベトナムで就職するなどの連携も珍しくありません。

また、人材紹介業のコンサルタントは個人商店的になりがちなのですが、良いノウハウはすぐに共有し、アドバイスをし合う風土を作っています。業績は好調だと感じており、今後のニーズも十分に期待できると感じています。

強い個人とITの掛合せ

――　今の課題は何でしょう？

細田　私たちの財産は「人」です。現在は、人材業界におけるベトナムの市場が好調なだけに、弊社のコンサルタントの能力開発は常に課題ととらえています。いただいた求人案件や登録者の要望を充足させるだけでなく、常に企業や求職者の置かれた環境や市場の動向を考えて、人材面での提案ができるように育てる必要があります。

幸い弊社は日系、欧米系企業向けの人材紹介やエグゼクティブサーチなど多彩なサービスを持ち、コンサルタントが育つ土壌があります。また、ビッグデータ解析や人工知能などITの先端技術を活用した「HR Tech」と呼ばれる分野では、母体のリクルートで研究が進んでおり、優位性があると自負しています。

――　御社の社内全体ではどう考えますか？

細田　弊社のメンバーはお客様のために一番良いことを求めており、そのために「自分がどうしたいのか」を常に考えています。私は拠点長の立場ですが、実はその認識はあまりないんです（笑）。それは各自が自分で考え、皆が対等の立場でディスカッションやサポートをしているからです。

当事者意識の高い人が多いので、私は同じように考えて動く画一的なロボットを作ろうとは全く思わず、社内にチームワークと共有の仕組みを考えるのが仕事だと思っています。

ベトナムだからというわけではなく、「自走する個人」と「チームワーク」を重視しています。

――　これからの戦略や計画を聞かせてください。

細田　個人的な意見も含めますと、人材業においては強い個人とITとの掛合せが重要だと考えています。優秀なコンサルタントは広いネットワークや人脈を持ち、顧客企業の業界動向やビジネス環境を理解したうえで、サービスの提案ができます。

加えてうまくITやＤＢを使うことも、今後の「人材のプロ」の仕事になってくるでしょう。ＤＢがいくら大きくても、それを使いこなせる経験豊富な人材がいなければ、十分な成果は出せません。

今までもそうでしたが、これからもメンバーとコンサルタントを育てたい。ただ、育成が目的ではなく、それがお客様である企業と求職者の双方を支えることになるからです。そして、最終的なゴールはベトナム社会への貢献と考えます。

皆さんが人材で困ったときに、思い出してもらえる会社でありたいと思います。