EY大手会計事務所のベトナム事情 No.009

すべての企業に11月1日から適用

EYベトナムの小野瀬です。第9回の対談は、日系企業担当の浅野智道マネジャーです。

小野瀬 政府から電子インボイス(以下、E―インボイス)の取り扱いに関する新たな政令が公布されました。どのような企業に影響がありますか。

浅野 はい、2018年9月12日付で政令(Decree119/2018/ND―CP)が公布されました。

この政令は、ベトナム法に基づき設立され、活動しているすべての企業に2018年11月1日から適用されます。政府から発行されたインボイスに関連する従前の規定である政令(Decree51/2010/ND―CP、Decree04/2014/ND―CP)は移行期間後の2018年11月1日に失効します。

抗議の声もあり、今後の動向に注目

小野瀬 請求書はビジネスにおいて重要な証憑なため、影響は大きそうですね。E―インボイスへの移行ガイドラインはどのような内容でしょうか。

浅野 すでにE―インボイスを導入している企業もあり、2018年11月1日より前にE―インボイス発行の通知をした企業は、E―インボイスを引き続き使用します。一方で、2018年11月1日より前に紙面によるインボイスの発行を通知した企業は、2020年10月31日まで紙面によるインボイスを引き続き使用することができます。その場合はVAT申告期限までに、発行したインボイスの詳細なリストであるForm03を提出しなければなりません。

なお、2018年11月1日から2020年10月1日までの期間に新しく設立した企業は、税務当局のガイドラインに従うことになります。

小野瀬 2年間の移行期間が設定されているとはいえ、E―インボイスを利用する際のリスクに対応した内部統制の再確認等を考慮すると、早めの対応が望ましいですね。

小野瀬 貴久
日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、EYジャカルタ勤務を経て2011年より現職。
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