SSI証券のベト株探訪記 No.011

農林水産業が7年最高の成長率

2018年第4四半期、GDP成長率は前年同期比7・31%増加すると推定され、そのうち農林水産業は3・90%、工業・建設業は8・65%、サービス業は7・61%となるでしょう。2018年第4四半期の成長率は、2017年同期を下回ったものの、2011年から2016年までの第4四半期を上回りました。

また、2018年のGDP成長率は7・08%に達し、2008年以来最高の増加率となり、成長率は年間目標の6・7%を上回っています。

2018年に、農林水産業が3・76%と、過去7年間で最高の成長率を達成したのは、産業再編、特に農業および水産養殖が功を奏したようです。経済的価値の高いベトギャップ(VietGap)基準をもとに新しい生産モデルの開発が進んでいます。

2018年は全国の稲作面積が減少したものの、生産性がアップしたため、米生産量は4398万t、2017年と比較し124万t増加したと予想されます。

工業・建設業のうち、加工・製造業が引き続き経済成長に貢献し、12・98%増でした。これは2017年の成長率を下回っていますが、2012年から2016年までの成長率よりはるかに高い数字です。

歴代最大の貿易黒字72億USDを記録

ベトナムの労働生産性は長年にわたって着実に増加しています。2018年の経済全体の労働生産性は1人当たり1億0200万VND(4512USD相当)と推定され、2017年比で346USD増加しました。2016年から2年間で年間平均5・75%増加しています。

限界資本産出比率(ICOR)は、2016年の6・42から2017年は6・11に改善し、2018年は5・97になると予想されています。

2018年の輸出入総額は4822億USDの新記録を樹立するとされ、貿易収支はこれまで最大の貿易黒字である2017年の21億USDをはるかに上回り、72億USDの黒字を達成しました。

グエン・ドゥック・フン・リン Nguyen Duc Hung Linh
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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