EY大手会計事務所のベトナム事情 No.010

旧正月前に要確認贈答品に関する注意点

EYベトナムの小野瀬です。第11回の対談は、日系企業担当の西川貴陽ディレクターです。

小野瀬 旧正月(テト)前となり、街中で一気に年末感が漂ってきましたが、テト前ということで何か気を付けることはありますか。

西川 この時期になると、顧客や従業員に対しテトギフトとして、物品を渡すのが一般的かと思いますが、実はきちんとVATインボイス(アウトプットVATインボイス)を発行する必要があります。

通常、商品を販売した際にVATインボイスを発行しますが、無償でギフトを渡した場合であってもインボイスを発行する必要があることに留意が必要です。

発行しない場合、損金不算入リスクあり

小野瀬 無償で物品を渡すだけなのにVATインボイスを発行する必要がある点は見落としがちですよね。

VATインボイスを発行する必要があるということは、VATを納付する必要があるのでしょうか。

西川 そうですね。一定の販促活動を実施する場合、実施する地域の商工局(DOIT)に届け出を行っているなど、一定の場合を除き、VATを申告し、納付する必要があります。

また、VATインボイスを発行していない場合、贈答費用が損金不算入とされるリスクがあるため留意が必要です。なお、EPEに関しては、トレーディングライセンスを持っていない限り、VATインボイスを発行し、VATを申告納税する必要はありません。

ただし、代わりに売上インボイスを発行する必要があることに留意が必要です。

小野瀬  贈答を行う際にきちんと関連書類を整備する必要がありますね。

この機会に必要書類がきちんと整備されているか、チェックされることをおすすめします。

小野瀬 貴久
日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、EYジャカルタ勤務を経て2011年より現職。
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