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Yベトナムの小野瀬です。第22回の対談は、監査パートナーのErnestさんです。

小野瀬 今回は、棚卸資産の期末日における評価について話をしたいと思います。棚卸資産の評価は、製造業やその他在庫を保有する企業にとっては、重要なポイントかと思いますが、ベトナム会計基準における評価方法について教えて下さい。

Ernest ベトナムでも日本と同様に、期末日において一定の条件を満たした場合には、評価減を行うことが要求されています。具体的には、期末日における正味実現可能価額(販売見込価格―販売直接費)が、棚卸資産の帳簿上の金額を下回っている場合には、当該差額分について評価減として引当金の計上が必要となります。

また、企業によっては当該評価減に加え、長期間動きのない棚卸資産についても経過期間に応じて、一定率を乗じた金額を引当金として計上するケースもあります。

小野瀬 評価減の方法については、会計基準上詳細なガイドラインはなく、会計基準の枠組みの中で、企業が独自に評価方法を設定することになるかと思います。何か注意すべき点はありますか?

Ernest 企業の中には、上記の棚卸資産評価をエクセルシートで計算しているケースが多く見られます。

新商品の追加や、新たな商流が発生した場合であっても、適時に計算式等の見直しが行われず、結果的に、誤った評価減の金額を計上しているケースがあります。

これに加え、担当者の交代時において、適切な引継が行われていないケースもあり注意が必要です。再度、棚卸資産の評価方法について、会社の詳細な計算方法の確認をおすすめします。

小野瀬 貴久
Onose Takahisa
Ernst & Young Vietnamのホーチミン事務所に勤務する日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、2006年からEYジャカルタ事務所、2011年よりEYベトナム・ホーチミン事務所に勤務。
ウェブサイト: www.ey.com