賢者の税務・会計術 vol.011

トラブル等を防ぐため負担者を明確に

こんにちは。AGS貝沼です。前回は短期借入と長期借入についてご説明致しました。今回は、国外からの借入金利息にかかるFCTについてご案内致します。

FCTとは外国契約者税のことを言い、 外国の個人または組織(外国契約者)が、ベトナムの個人または組織(ベトナム契約者)と契約を結び、国内においてサービス提供を行った結果として得られる所得に対して課される税金です。

FCTはVAT(付加価値税)部分とCIT(法人所得税)部分より構成されており、外国契約者が負担し、ベトナム契約者が納税する必要があります。

国外からの借入金利息はFCTの課税対象となり、VAT部分は非課税、CIT部分に5%が課税されます。

実務上の注意点として、外国契約者とのトラブルや税務当局からの指摘を未然に防ぐため、契約上の負担者を明確にし、契約書へ記載する必要があります。

外国契約者がFCTを負担する旨記載されている場合は、ベトナム契約者が利息支払にかかるFCTを源泉徴収の上、国外送金を行います。負担者が明記されていない際も同様の取り扱いとなります。

契約者がFCTを負担する旨記載されている場合は、源泉徴収する必要はありません。

申告納税期限は利息支払日から10日以内

初回のFCT申告時はFCTコードの取得が必要となります。

加えて、申告納税期限は利息支払日から10日以内となっており、非常にタイトなスケジュールの中で業務を進める必要があります。

そのため、国外からの借入金を検討の際には、事前に専門家へ相談されることを推奨いたします。

貝沼 義斗
AGSハノイ事務所勤務。官公庁での税務業務、青年海外協力隊を経て、2018年より現職。ベトナム語を猛特訓中。
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