【ベトナム株】18年のベトナム経済の総括
19年はどう変化する?
SSI証券のベト株探訪記 No.012
金融危機から脱却し成長率は最高水準へ
第4四半期のGDP成長率は+7・31%と、年間の全体成長率を+7・08%に引き上げ、目標を大幅に上回り、2008年の金融危機以来の最高水準となりました。11年かけて、よううやく7%以上の成長軌道に戻ることができました。しかし、2003年~2005年の頃のベトナムとアジア諸国の10%以上の成長率と比較してしまうと、特筆すべき数字ではありません。
建設・工業、農林水産業、サービス業の3つの産業が第4四半期にプラス成長し、うちサービス業の成長率は+7・6%と最も顕著でした。
2018年を振り返えると、憂慮すべきデータも多い一方で、合理的でタイムリーな政策シフトが成長の原動力となり、明らかな変化が見受けられます。
2年連続で約7%の成長率を記録し、世界的な経済危機の影響を受け、成長率が落ち込んだ2008年から2010年以前に国内で発生した金融政策および財政政策に関連する問題は基本的に解決したと言えます。
かつての危機から有益な教訓得たことで、将来的にこれらの政策の正確性に自信を持つことができるでしょう。これは、民間経済の発展など、ベトナム経済の加速を支える他の政策のために、強固な基盤を築く重要な要素だと思います。
19年のベトナム経済はどう変化していくか
2019年は、世界の経済成長の減速や、米中貿易戦争はベトナムに明確な影響を与えると考えられるでしょう。
これらの影響は多次元的であり、正確に測定し予測するのが難しく、多くの変数に依存します。 プラスの面として、最も明白なのは中国から生産拠点を移す企業の動向であり、FDI(外国直接投資額)はさらに増加するでしょう。
マイナス面としては、中国経済の減速に伴い、中国市場の消費者需要は引き続き減少する点です。携帯電話の生産量の減少も今後問題を提起すると見込まれます。
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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