企業活動に影響する重要な要素

先日、弊社のコンサルタント(コンプライアンス分野専門)チームと「コーポレートインテグリティ」について議論しました。その話を共有させて頂きます。

「コーポレートインテグリティ」とは、「道徳・倫理に関する企業能力や企業資産」と訳せます。ベトナムにおいて、ビジネスの関する汚職はかなり改善されてきています。しかし、『ワールドエコノミックフォーラムグローバコンペティティブネスインデック2017―2018』によると、ビジネス倫理浸透率に関して81位(137ヶ国中)となっています。また、ドウェイン・モリス法律事務所による調査では、「調査対象の80%以上の会社が取引先からギフトを貰っている」、また「請求書の改ざんに関する噂がある」など、未だに苦労している会社が多いのが現状です。

「コーポレートインテグリティ」の低さは、企業活動に大きな影響を与えます。ベトナム商工会議所(VCCI)によると調査対象企業の10%が、売り上げの10%を非公式な分野に使っているとも出ています。また、汚職に関係していない社員のモチベーションや生産性の低下、優秀な社員の退職にも繋がります。

正々堂々とビジネスし良い文化を創造する

では、どのように「コーポレートインテグリティ」を高めていくかです。まずは、組織の実態を分析・調査するところから始まります。現状を把握し、打つべき手を正確に掴まないと組織の変革には至りません。

手立てとしては、①組織構造を見直す ②経営幹部への意識啓発・教育 ③監視システムを作る ④リスクが起こり得るところに対してルールの設定 ⑤起こり得る反発への対応策 ⑥コンプライアンスポリシーの設定 ⑦意識啓発・教育 ⑧モニタリング ⑨検証・改善などです。

ある日系企業の社長は「正々堂々とビジネスをすることが企業の発展、ベトナムの発展にも繋がる」とおっしゃっていました。日本人幹部が、率先垂範し、高い倫理観で、良い文化を作っていきたいですね。

 

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、
ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
電:024-6269-6162
E-mail:vietnam@bcon.co.jp