賢者の税務・会計術 vol.013

ソフトウェア開発が優遇税制の対象に

こんにちは。AGS貝沼です。ベトナムでは近年、IT企業の誘致が積極的に行われています。IT企業に対する優遇税制を適用するには、適切な法令の理解および設立前の事業内容の検討が必要となります。

IT企業は、一定の要件下で、15年間の優遇税率10%および4年間の免税、9年間の50%減税を享受することができます。対象事業はソフトウェア開発で、CAD設計やITコンサルティングは適用対象外となっています。

情報通信省発行の通達09/2013/TT―BTTTT(以下通達09)および通達16/2014/TT―BTTTT(以下通達16)にて、優遇税制適用対象となるソフトウェアに関して規定されています。

適用の可否については専門家へ相談を

通達09は、ソフトウェアの種類を規定し、大項目はソフトウェアシステム、アプリケーションソフト、管理用ソフトウェア等、小項目はサーバー管理システム、ネットワークシステム、データベース管理システム等が定められています。

通達16では、ソフトウェア開発を7つに分類しています。①要件定義、②分析及び設計、③プログラミング・コーディング、④検査、⑤完成・梱包、⑥インストール、⑦販売・配布となります。ソフトウェア開発と認められるためには②~④いずれかの活動が必要で、①または⑤の活動は②~④のいずれかと合わせて行うこと、⑥の活動は①~⑤すべてと合わせて行うことでソフトウェア開発と認められます。

IT企業に対する優遇税制の適用可否は、企業自ら判断する必要があります。税務調査の結果、上記要件を満たしていないと判断された際は、高額な追徴税や延滞金等を支払う必 要があります。将来的なリスクを最小限にするためにも、税務当局や情報通信局からのオフィシャルレターの取得の検討が必要です。

優遇税制の適用は事業の根幹の部分となるため、ソフトウェア開発事業を行う際は、事前に専門家へ相談されることを推奨します。

貝沼 義斗
AGSハノイ事務所勤務。官公庁での税務業務、青年海外協力隊を経て、2018年より現職。ベトナム語を猛特訓中。
A. I. Global Sun Partners JSC
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