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Yベトナムの小野瀬です。第8回の対談は、日系企業担当マネージャーのHuyen(絢)さんです。

小野瀬 多くの企業様から、会計や税務に詳しい人物を紹介して欲しいという依頼を受けます。

 外資系企業のベトナム進出は年々増加しており、またベトナム人の離職率も高いため、どの会社も会計や税務に詳しい人が欲しいようです。日系企業の場合は日本語力も求められるので、より難しいといえます。

小野瀬 チーフアカウンタント(CA)の資格取得は試験合格と実務経験が条件とはなっていますが、実力のあるCAを探すのは非常に困難です。資格があるからといって、安心は出来ません。また、会計税務の知識の習得だけでも難しいのに、特に日本語を求めるとなると、さらに適した人物を探すことは困難です。通常の労働市場にはいないと思ったほうがよいかもしれません。社内で育成をする方向も考えるべきでしょう。

 CAが退職した時の引継ぎも非常に重要ですね。新任のCAが、全く前任者からの引継ぎを受けておらず、経験や会社に関する知識が不足しており、会計処理や税務処理が適切になされなかった結果、税務調査で多額の追徴を受けたという事例も多くあります。

小野瀬 従業員の定着を考えると同時に、CAの知識や経験だけに依存した組織作りではなく、CA以外のスタッフとの情報共有や、教育制度を改善する必要があります。また、言葉や知識の壁はありますが、引継ぎについては日本人マネージャーも関与し、何を引継ぐ必要があるのか、期間は十分かなど、適切な方策を考える必要があります。

小野瀬 貴久
Onose Takahisa
Ernst & Young Vietnamのホーチミン事務所に勤務する日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、2006年からEYジャカルタ事務所、2011年よりEYベトナム・ホーチミン事務所に勤務。
ウェブサイト: www.ey.com