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015年初からの景気回復により、ベトナム株式市場の株価指数は11.6%上昇した。この指数は、日経225の12.7%とほぼ同じで、MSCIエマージング・マーケット・インデックスの-15%とS&P500の-0.2%より高いのだ。

一方、ベトナムの2015年国内総生産(GDP)の成長率は約6.5%に達する見込みで、予測された6.2%を上回る。外国直接投資(FDI)と外国間接投資(FII)を含め、ベトナムへの資金流入は国内の経済発展と株式市場の発展に重要な役割を果たしている。2015年初8ヶ月のFDI実行額は、2014年同期比16.3%増の約118億USD。FDI企業は2015年のGDP成長率に最も寄与度が高い、製造業の発展に貢献している。

その中で自動車、テレビ、携帯電話製造業の3産業の成長率が最も高いという。特に携帯電話製造業は2015年初10ヶ月で国内生産台数が1億9000万台に達成し、前年同期比42%増となっている。11月13日現在、ベトナム株式市場へのFII総額が約2億2500万USDで、2014年同期の純資産総額より増加した。ただ、FIIは銀行と金融セクターを中心に流入しているものの、不動産と食品・飲料セクターは注目されていない。

2015年5月から7月までの3ヶ月間で、大量のFII資金が流入したおかげでVNインデックスは14%上昇。しかし、8月以降は為替レート調整の影響でFII資金流入が減少し、VNインデックス指数も下落した。現時点まで外国人投資家に好感されるセクターは建設と建材だ。ベトナム政府はインフラ投資を積極的に進める政策を実施しており、2015年はこの分野が順調に成長した。2015年初10ヶ月で、前年同期比で製鉄分野が17%、セメント製造分野が10%上昇しており、これらは今後も投資するに値する分野と言えるだろう。

グエン・ドゥック・フン・リン
Nguyen Duc Hung Linh
Saigon Securities Inc.の個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。シンガポールで市場分析家や法律専門家として勤務後、2011年より現職。
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