マホの画面からタクシーを呼ぶ、配車アプリを使ったことがありますか?

ベトナムでは、2014年から配車アプリサービスが始まりました。昨年1月には外資X社がハノイ、ホーチミン市、ダナン、カインホア省、クアンニン省の5地域で、交通運輸省から2年間のパイロット事業免許を受けて、9人乗り未満の自動車の配車アプリシステムの試行(ダナンでは市当局の反対で一時的に保留)を始めました。そのほか、ローカル企業にもパイロット事業免許が出ています。

X社のアプリでは提携タクシー会社のタクシーを呼べるほか、同社が旅客運送業のライセンスを得ているため、車両持込みの個人の運転手も呼べます(ベトナムには個人タクシー制度はありません)。

X社はバイクタクシー(セオム)もアプリで配車していますが、パイロット事業免許は発行されていません。そもそもベトナムにはバイクタクシーの営業免許制度がないためと思われます。一方、まだパイロット事業免許が出ていない企業もあり、理由は明らかではありませんが、税法上の取扱いについて、当局との間で見解が一致しないためと見られています。

配車アプリのサービス開始直後から交通運輸省は、ライセンスを受けていない配車アプリのタクシーに対し、無免許営業やタクシーメーター不登載などの違反行為があるとして、警察や税務当局の協力を得て規制を行っています。

行政罰金額は、無免許タクシーは700万VND以上1000万VND以下、メーター不登載は200万VND以上300万VND以下(いずれも法人の場合はその2倍)を科せられます。

ただ、乗客には罰則はありませんのでご心配なく。

小幡 葉子
Obata Yoko
TMI総合法律事務所ハノイオフィス勤務。日本国弁護士・ベトナム外国弁護士。1992年より雨宮眞也法律事務所にて企業法務を担当、JICAベトナム法整備支援長期専門家などを経て、2013年4月より現職。
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