「将

来のことを尋ねても答えられないベトナム人スタッフが多い」という声をよく耳にします。

「3年後の自分は?」、「この会社で将来何をしたいですか?」と、皆さんも一度は質問された経験があるかと思いますが、ベトナム人スタッフからは、こんな風に返されたりします。「日本人は未来の質問が好きで、現在のことはあまり聞いてくれない」、「3年後の自分を、日本人はいつも考えて行動しているの?」。全く逆の質問が出てくる状況からわかるように、どちらが正しいということではなく、意識の向いているポイントが違うのです。

日本人は、仕事も人生もあらかじめ予測して先回りして対応&対策、それが大事! という方が多く、これは、魅力的なメイド・イン・ジャパンを生み出す要因にもなっている大切な能力でもあります。ただ当たり前ですが、今起きていることより、これから起きるかもしれないことに意識を向け続けていれば、今をしっかり感じることへのパワー配分は下がるし、気苦労も多くなりがちです。

仕事もプライベートも、今のど真ん中をストレートに生きているベトナム人からすると、日本人はメンバーと仕事をしている今、ご飯を食べている今、を感じるチカラが弱く見えます。「取り越し苦労で疲れてたら人生もったいないじゃん!」というのが彼らの発想です。ベトナム人には、目の前の今だけを見て、考え、生きているからこその経験があり、成長があり、喜びもあるのでしょう。何度も言いますが、どちらがよい、悪いという話ではなく、単なる発想の違いなのです。その違いを前提にベトナム人メンバーとコミュニケーションを取ることが、信頼関係やモチベーションのアップにつながっていくのではないでしょうか?

加藤 将司
Kato Masashi
JACリクルートメントベトナムManaging Director。大学卒業後、大手人材紹介会社を経て、一貫してベトナム人材の紹介や採用&育成に関わり、今年で12年目。2013年6月より現職。
www.jac-recruitment.vn