フィスでも、廊下でのすれ違いざまにでも、メンバーを見た時、一瞬で「何かがいつもと違う…抽象的だけどどこかが違う…いや、これは気のせい!?」ってことありますよね。目を合わせてくれなかったり、どことなく周囲から浮いている感があったりと、あと付けで理由はいろいろと出てきても、最終的に直感が残るような瞬間。「いつもと違うセンサーが働く時は、理屈で理解していることよりも結果的に正しいことが多い!」ってことも、理屈ではわかっている。でも、同時に「どう声をかけるべきか、入り方がわからない!」、「変に気を使っていると思われて、余計負担に感じられるのも嫌!」、「まったくもって普通なのに、何を勘違いしてるのこの日本人は? とメンバーに思われるのもなお悲し!」という、日本人らしい慎みの精神で、反応が遅れがちな人が多いかと思います。

そんな時に大活躍するのが、「How can I help you?」です。直訳すると「何かお手伝いできることありませんか?」。もう説明する必要はないかもしれませんが、関心、認知、幇助、すべてを一言で包み込み、たとえ間違っていたとしてもメンバーを傷つけない、誰も不幸にならない言葉です。ベトナム人メンバーのオファーが全部詰まったバラエティパックのような言葉といってもいいでしょう。

ただし、とっさの一言は、とっさには出てこないもの。なので、日頃から、自分の気持ちも唇も、とっさのケースに備えて臨戦態勢を取っておく必要があります。例えば朝などに、“Hi, Thao! Could you help me?”(何か手伝ってくれる?)などと声かけをして、普段から少しずつ前フリを入れておくと、とっさの場面により対応しやすい環境が作れるでしょう。

加藤 将司
Kato Masashi
JACリクルートメントベトナムManaging Director。大学卒業後、大手人材紹介会社を経て、一貫してベトナム人材の紹介や採用&育成に関わり、今年で12年目。2013年6月より現職。
www.jac-recruitment.vn