ちのHRマネジャーはスピードが遅く、書類選考が雑で、要望どおりの履歴書が上がってこない」、「HRマネジャーが勝手に値引き交渉をして以来、人材紹介会社から履歴書が来ない」……。こういった話をたまに聞きます。確かに、我々のような人材紹介会社側から見ても、「マッチングは最高なのに、この人がなぜ書類選考落選?」と思うこともあります。

ベトナムでのHRマネジャーは「人事のプロ」という意識が強く、良くも悪くもプライドが高いです。そして、優秀な人であればあるほど、採用の難しさや繊細さに敏感です。そんな彼らをこちらに引き込むには、人事・採用の窓口というだけでなく、会社の財産となる良い人材を採用する大事な仲間であることや、「社内ヘッドハンター」という役割を強く出していきます。例えば、短い時間でよいのでメールではなく、ランチやカフェで2人で打合せをする。相手は信頼されているという嬉しさと、特別なミッションを任されているという責任感を持ちます。

ある会社では、どうしても入社させたい候補者の面談前には必ずHRマネジャーが意図を持って0次面接を行い、その後でランチやカフェに誘って、オフィスでは話しにくいプライベートな情報も聞き出しているとか。あるいは人材紹介会社に詳細なヒアリングして、本番の面談に備えているようです。こうした方法で、ダイレクター面接でのクオリティを確保しているわけです。

候補者との最初の接点であるHRマネジャーへの関り方を少し変えるだけで、最高のヘッドハンターや人材紹介会社は、意外と社内で見つかるかもしれません。

加藤 将司
Kato Masashi
JACリクルートメントベトナムManaging Director。大学卒業後、大手人材紹介会社を経て、一貫してベトナム人材の紹介や採用&育成に関わり、今年で12年目。2013年6月より現職。
www.jac-recruitment.vn