んにちは、AGSの辻です。今回のテーマは配当金の海外送金にかかわる規制です。ベトナム現地法人で十分な利益が出ていて、親会社への利益還元をお考えの企業様もいらっしゃるかと思います。ただ、ベトナムでは海外送金が厳しくチェックされており、配当金を送金する際にも、いくつかのルールを守る必要があります。以下でその規制を見てみましょう。

ベトナムでは、日本のように利益の一部を準備金として計上する必要はありませんが、年に一度のみ、監査済み財務諸表における累積税引後利益の中からだけ、配当を出すことが可能です。つまり、年に一度の配当を出すためには、累積で利益が出ていることが必要となります。

また、配当を出すためには以下の条件を満たす必要があります。

①監査報告書が管轄の税務署に提出されていること。

②法人所得税の確定申告が完了していること。

③その他のベトナム政府に対する財務義務をすべて履行していること。

さらに上記に加え、送金の7営業日前までに配当金を送金する旨を、管轄の税務署に所定書式によって通知しなければなりません。

以上が、配当金を海外へ送金する上での主な規制となりますが、ベトナムでは海外法人への配当に配当源泉税が掛からないなどの、他国ではあまり見られない税務上の特徴もあります。また、配当金を送金する際の書類の作成にも、専門知識が必要となります。

このため、配当金の送金をお考えの際には、専門家にご相談されることをお勧めいたします。

次回は配当金にかかわる税金についてご案内いたします。

辻 雄太
Tsuji Yuta
AGSホーチミン事務所に勤務する米国公認会計士。日本の大手メーカーでの勤務を経て2015年より現職。国際税務・国際会計基準対応などに強みを持つ。
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