賢者の税務・会計術 vol.003

サービスの種類により税率が変わる

こんにちは、AGSの辻です。さて、今回も外国契約者税(FCT)に関する、契約締結時の留意点についてご案内します。

FCTは法人所得税(CIT)および付加価値税(VAT)から構成され、サービスの種類ごとにそれぞれ税率が定められています。
一つの契約に複数種のサービスが混在する場合は、それぞれのサービス価格に対して、それぞれの税率が適用されます。
しかし、それぞれのサービス価格が明確でない場合には、原則その契約中で最も税率の高いサービスの税率が契約総額に適用されます。
ただし、もしそれが建設工事請負契約であれば、建設・設置サービスに適用される税率がその契約額全体に適用されることになります(通達103/2014/TT―BTC)。

契約内容を分けて、税額が抑えられる場合も

入時にVATを納税していることを前提として、機械設備本体価格にはCIT1%・VAT0%、建設・設置費にはCIT2%・VAT3%、その他のサービスには、CIT5%・VAT5%のFCTが課せられます。他方で、もしも契約書に請負工事の内訳が明記されていない場合は、契約総額9500万に対してCIT2%・VAT3%が課税されることになります。

この例では、契約内容を分けた場合のFCTはCIT170万・VAT120万ですが、契約内容を分けなかった場合は、CIT190万・VAT285万となり、契約内容を分けた方が、税額が抑えられることになります。

上記はあくまで一例であり、適用される税率は一様ではないため、契約締結時には、事前に専門家にご相談されることをおすすめします。

辻 雄太
米国公認会計士。日本の大手メーカーでの勤務を経て2015年より現職。国際税務・国際会計基準対応などに強みを持つ。
A. I. Global Sun Partners JSC
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