賢者の税務・会計術 vol.021

違反した場合は罰金の可能性も

こんにちは、AGSの貝沼です。今回は最低賃金がテーマです。最低賃金は、毎年国家賃金評議会(以下、評議会)が労働者の最低賃金案を作成し、政府から採用を受けることで決定されます。

政府は、2019年 11月 15日、2020年1月 1 日以降に適用される最低賃金に関する政令 No.90/2019/MD―CP を発効しました。それによると、第1地域から第4地域までの最低賃金は以下のようになります。

①第1地域:418万VNDから442万VNDへ約5・7%増加

②第2地域:371万VNDから392万VNDへ5・7%増加

③第3地域:325万VNDから343万VNDへ5・5%増加

④第4地域:292 万VNDから307万VNDへ5・1%増加

この最低賃金額は、今年8月に国家賃金評議会で採択された案と同じ金額であり、政府はその引上案を採用しました。

第1地域から第4地域は都市化や経済的発展を基準に指定されており、第1地域にはハノイ市、ハイフォン市、ホーチミン市、ドンナイ省等が指定されています。

毎年発効される政令において、各地域の指定区分に変更があるため、留意する必要があります。

最低賃金は、労働者に支給される賃金のうち手当等を除いた基本給、給与に適用されるものとし、(労働法 No.10/2012/QH13第90条1項)、使用者が政府が公表した最低賃金を下回る額の賃金を支払った場合、違反の労働者の数に応じて2000万VNDから7500万VNDの罰金を課される可能性があります。

あらゆる算定基礎にも影響あり

その他、以下のような注目すべき点があります。マネジャークラスでは、社会保険料の基礎金額や所得税対応税率にも変動が出ます。また、多くの工場作業員は支給額の改訂が必要になるうえ、テト賞与の算定基礎にも影響を与えるので注意が必要です。ご不明な点等は専門家への相談をおすすめいたします。

貝沼 義斗
AGSハノイ事務所勤務。官公庁での税務業務、青年海外協力隊を経て、2018年より現職。ベトナム語を猛特訓中。
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