SSI証券のベト株探訪記 No.027

2020年1Q上場企業28%収益減少

3月の厳しい状況後、ベトナム株式市場は4月に強く反発し、16・1%増の769・1ポイントになりました。 

昨年の第4四半期以降に市場から撤退した国内の投資家や、取引口座を何年間もアクティブ化しなかった投資家は、市場に戻ってきました。このことは、外国人投資家からの強い売り圧力にも関わらず、市場を押し上げました。国内の投資家は4月の総取引額の86%を占め、2019年の84・5%のレベルを上回っています。通常は大型株に向かう機関のマネーフローとは異なり、個人のマネーフローは、特定のストーリーや成長の見通しを持った中型株やセクターに振り分けています。具体的には、工業団地、肥料(低い原油価格による受益者)、建設および建設資材(公共投資の促進による受益者)、または主食(豚肉、米)などのセグメントです。

一方、外国人投資家は著しく対照的な行動を示しています。VIC(ビングループ)、VNM(ビナミルク)、VRE(ビンコムリテール)およびVPB(VPバンク)に焦点を合わせて4月に2億8400万ドルの大量売りを続けています。年初来、彼らはベトナムの株式市場から7億2200万ドルをアンロード。3月のETF純流出額は1700万米ドルに及びます。

また、3つの取引所の流動性は上昇し、1億7600万ドル(前月比4・5%増、前年比28・4%増)に達しています。

2020年第1四半期の各企業の業績に関して、上場企業は28%収益減少を報告し、そのうち、航空会社、石油小売・精製会社が大きな損失を報告しています。VN30インデックスの企業は、前年比11%減少を発表。新型コロナウイルスの影響を考えると、第1四半期の収益は大幅に下がると予想していましたが、最悪の事態にはまだ到来しておらず、企業収益は2020年第2四半期のどこかに落ち込むと考えられています。

新型コロナウイルスの後、世界経済がどう回復するのか。投資家はさらに慎重に投資対象を決定する必要があります。

ファン・リュ・フォン Pham Luu Hung
分析及び投資コンサルセンターのマネジャー。シドニー大学で修士、ハノイ貿易大学で学士号を取得。2007年より現職。
Saigon Securities Inc.
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