各分野の成長が減速携帯電話のみ好調

2019年第2四半期の農業の成長率は気候に恵まれず、収穫量が減り、低成長に留まると予測されています。さらに、畜産業はアフリカ豚コレラ感染の拡大が続いています。また、水産物輸出額は5月時点で4ヶ月連続で減少しています。

ただし、5月の携帯電話の輸出額は9ヶ月ぶりの最高成長率を記録しました。一方で、5月の石油製品の生産量は前年同期比80・8%増となった結果、石油精製・石油化学産業の指数も106・5%増と非常に高い成長を記録しました。一方で、自動車製造業の成長は10・8%増と減速しており、13ヶ月ぶりの最低水準となりました。また、ベトナムはTPP11(CPTPP)を含む貿易協定と米中貿易戦争の恩恵を受けているとされているにも関わらず、ここ数ヶ月間は繊維・衣料産業の成長もやや落ち込んでいます。

2017年のベトナム経済はGDP成長率は6・81%でした。2018年は第1四半期に7・38%に達した後で、年末に7・08%に減速しました。過去のこういった傾向から、2019年の最初の5ヶ月間に農業、水産業、小売業が減速しているため、第2四半期の成長率は伸び悩むと考えられます。良い点は携帯電話産業が再び成長していることぐらいです。

経済成長を促進するために必要なことは

ベトナムの経済成長を促進させるには、輸出の機会を最大限に活用し、特に財政支出に注意を払うなど、内的要因に注視する必要があると考えます。

2019年の4ヶ月間で、開発投資支出が年間計画の16%に達し、5・4%しか増加しませんでした。2018年以来、開発投資の支出は鈍化しており、これが経済成長が予想通りにいかない理由の1つでしょう。

予測不可能な外部からの影響で、ベトナムの経済に対する圧力は増大しています。こういった状況下では、民間企業の資本予算など、国内の資源を最大限に活用することが最優先事項であると考えられます。

グエン・ドゥック・フン・リン Nguyen Duc Hung Linh
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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