賢者の税務・会計術 vol.001

こんにちは、AGSの辻です。スケッチプロから週刊SKに誌面が移りましたが、引き続き、身近な税務イシューに関するコラムをお届けできればと考えています。
さて、SKでの1回目のテーマは外国契約者税です。今回から数回に渡り、外国契約者税についてのコラムを寄稿させていただく予定ですが、まずは概要からご案内します。

ベトナム国内での サービスに対する課税

外国契約者税とはFCT(Foreign Contractor Tax)という略称で呼ばれることが多いです。
簡単に説明をすると、ベトナム国外の法人や個人(外国契約者)がベトナム国内の法人や個人(ベトナム契約者)に対して、ベトナム国内でサービスの提供を行った際に課される税金のことです。
このサービスという概念には金利やロイヤリティなども含まれ、広い範囲で課税されるため、ベトナムから海外送金を行う際には、都度FCT課税の有無をご確認いただいた方がよいかと思います。

税の負担者は誰? タイトな納税期限

FCTは本来、外国契約者が負担すべき税金ですが、一般的にはベトナム契約者が外国契約者に代わって、源泉徴収方式による申告納税を行います。
ただし、もし外国契約者がベトナム国内に恒久的施設を有していたり、自ら税コードを有しベトナム会計基準に準拠している場合などは、外国契約者が自ら申告納税を行うことになります。
なお、実務上、FCTの負担者をベトナム契約者とすることも可能ですが、その場合には源泉徴収を行う必要はありません。
基本的には、決済日から10日以内の申告納税が義務付けられています。非常にタイトな期限設定となっているため、申告遅れがないように、経理担当者と前もって打ち合わせしておくことが重要です。
また、FCTの課税対象と知らずに申告納税が漏れているケースが散見されるので、一度専門家にご相談されることをおすすめします。

辻 雄太
米国公認会計士。日本の大手メーカーでの勤務を経て2015年より現職。国際税務・国際会計基準対応などに強みを持つ。
A. I. Global Sun Partners JSC
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