SK人事部 採用・教育虎の巻 其の五十

ベトナムなど発展途上国での海外駐在は刺激的で充実している生活になり、タフな経験を多くする事で新しい視点を持てる様になっています。

一般的に海外法人の駐在員は日本本社より高い役職で勤務している場合が多く、大手などは課長クラスがベトナム法人の社長として赴任している場合もあります。帰任後は裁量が小さくなり、役職が下がる場合がほとんどです。

帰任後の自意識と本社の意向

多くの経験を積んで、新しい視点も持てるようになったにもかかわらず、その経験がすぐに活かせず、帰国直後は自分が小さい人間になったかのような感覚になりやすいです。一方、本社から見ると業務レベルや生産性が低い国でのマネジメント経験は役に立たない、使い道が少ないなど不安視している現実もあります。

社内システム、職場環境、日本国内市場等も数年で様変わりし、日本特有のスピード感や報告ルートなど通常業務に慣れるだけでも戸惑う場合もあります。さらに、近年では働き方改革、コンプライアンス、パワハラ、セクハラなど、言動に気をつけて環境適応しなければなりません。

本社側からすると、戦力化が遅くなると帰任者は“捨て石”になるとの見方もあります。

駐在中に頭の片隅で考えて欲しいこと

帰国して浦島太郎状態にならないために、日本本社側は帰任者のキャリア形成に配慮する関心は薄いという認識が必要です。

そのため、日本本社への関心、業界や市場動向は常にアップデートして欲しいです。また、海外赴任時でも持ち運べるスキルは、学習し続ける必要があります。語学力、リーダーシップ、マネジメントなどは日本国内よりは実践的に学習する機会が多いと考えても良いでしょう。

当たり前ですが、駐在員だけが苦労をしている訳ではなく、日本勤務も同様に苦労しているとの理解も必要です。

海外駐在員は期待され、人選されています。まずは期待に応えるため、目の前のことにベストを尽くすことは日本も海外も同じかとは思います。

クイックベトナム  古屋 竹雄
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