24の徳性を知り
どう行動に移すか

2回にわたってお話したレジリエンスについて、まとめに入ります。

レジリエンスプログラムでは、「困難を乗り越える力」と「目標に希望をもつ力」の2つのアプローチをします。根底にはポジティブ心理学の考えがあり、自分自身を深く見つめ、自分の強みをいかに活かしていくのかをベースにプログラムが組み立てられています。

誰でも自分の強みを活かして、能力いっぱい伸び伸び働けたら、働いていて楽しいですよね。レジリエンスプログラムでは、自身の強みを24の「徳性」で確認します。自身や相手の強みを活かすには、どう活動すべきかを職場メンバーと一緒に考えていきます。

ピンチはチャンス
今何ができるのか

「大変だ。危険には近づくな、逃げろ。コロナ禍は国が何とかして責任取れ」と、述べていたどちらかの経営コンサルタントと名乗る方が以前、テレビに出ていましたが、正直大変恥ずかしい気分になりました。この人は何をコンサルティングするのだろうかと。

こんな時だからこそ、新しいことに取り組むチャンスと捉え、何ができるのか考えて、考えて、考えて行動していくことが大切です。英語ではクライシス(Crisis)、日本語では危機。危険と機会が両方あるということです。「機会」にできる人は、やはりレジリエンスが高い方(組織)でしょう。

より良い世の中にしていくためには、「国が国民に対して何かをしてくれるのを待つのではなく、一人ひとりが国のために何ができるのかを考え、行動する」。ケネディ元大統領の有名な言葉は、まさにその通りです。組織は一人ではできないことを多くの人間が集まって、大きな社会的使命を果たすべく存在します。各組織がそれぞれの使命をもち、日々活動しています。

このような状況だからこそ、一人ひとりが何ができるのかをさらに考えて、その大義を改めて見直し、日々の活動をしていきたいですね。

今、各組織に求められている役割はこれまで以上に大きく、重要になっているのではないでしょうか。

知識 大輔 Chishiki Daisuke
日本で営業責任者を務めた後、中国法人で5年間、総経理、董事長を経験。2020年8月からベトナム法人のゼネラルダイレクターに就任。
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